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オーストリア航空の機内は色合いが可愛らしい。機内食も美味しければ、何よりアルコール類がフリーなので感動してしまった。そういえば欧州方面に飛ぶのは久しぶりだ。
今回クロアチアを旅先に選んだのは、治安の良さと世界遺産の多さ、アドリア海沿岸のビーチリゾートとワイン、といった旅を楽しむ要素が充実していたからだ。
ただし、クロアチア行きの直行便がない。私の場合はウィーンで乗り換えるのだが、乗り継ぎ便が悪く、一泊する必要があった。
まぁいいか。どうせだから少し楽しもうと、今回は覚えたてのフンデルトヴァッサーで少々寄り道をしようと決めた。 |
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かわいらしい装飾の機内 |
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前回ウィーンを旅してから既に15年ほど経つ。その時にはウィーンだけを1週間くらいぶらぶらしたものだが、移動の仕方など、すっかり忘れてしまった。
まともな地図もないので目的地近辺だろうと思われる箇所で空港バスを降りてもどこに行けばよいのかわからない。目の前をトラムが走るがトラム地図もない。地図を入手できるインフォメーションは一体どこに?
人待ちらしき若者に尋ねたら、乗るトラムと乗り換え駅を教えてくれた。そこからは誰かに尋ねろという。
誰かに尋ね、乗り換えて目的の駅に着いたが、さて、フィガロ ヴォヤージュの地図がアバウト過ぎてさっぱりわからない。
途中、歩行者に何度か尋ね、何度も迷い、すぐそばまで来ているはずなのはわかっていたが、時間が気になったので、ぼられるのを覚悟でタクシーを呼びとめた、というより、いかにもな行動をしていたのでタクシーに呼び止められた。
ぼったくりは世界のタクシーの特徴なので乗ると決めたら気にしない。時間のほうが貴重だ。
最初に着いた場所はフンデルトヴァッサーハウス。実際に人が住む市営住宅だそうだ。 |
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フンデルトヴァッサーハウスの外観 |
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窓辺もかわいい |
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待ってもらっていたタクシーで今度はフンデルトヴァッサー博物館へ。にわかフンデルトヴァッサーには博物館は外せない。
入口でチケットを購入すると、閉館までは1時間しかないので急いだほうが良いと言われた。
建物内部は不思議なデザインに満ちている。床は波打ち、カラフルな煉瓦やタイルが散りばめられる。曲線だらけでガウディっぽい、が、似ているが少し違う。
時間がないので階上の博物館を目指そう。 |
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博物館入口 |
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ここは建物の裏側らしかった(反対側に正門があったので) |
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かなり好みのタイプの建築です |
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写真ではわかりにくいが波打つ床 |
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階上へ続くお洒落な階段 |
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上っていくと |
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上から見た感じがまた違う |
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絵画展示エリアは一切撮影禁止だったが、それ以外は自由に撮影できますよと、各階の番人たちがニコニコ顔で言う。
時間的に遅いからだろう、客は私一人。時間がないとはいえ完全に貸し切りだ。
一つ一つの絵画をゆっくりと(そうもいかないが)、じっくり見ることができた。
絵はとにかく面白い。自分は何故、今までこんなに面白い絵を知らなかったのだろうと後悔したほどだ。当初はクリムトを観ようと思っていたのだが、クリムトより遥かに私好みの絵であり、しかも建築鑑賞付き。得した気分になる。 |
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ここはミュージアムショップ・こんな感じの絵 |
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緑いっぱいの庭 |
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カフェ併設です |
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木々の間に垣間見える博物館の外観 |
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柱も一つ一つデザインが異なるそうなのです |
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空腹になってきた。以前来たときに散々歩いた王宮近くの中心地に行って夕食にしよう。
そう思いながら博物館を出て、とぼとぼとトラムを探す。
トラムの電線はすぐに見つかり、辿っていくと駅に出た。
地下鉄駅がより近い方面行きに乗り、地下鉄でトラムと地下鉄併用の24時間チケットを購入。
ウィーンには24時間も滞在しないため、これで先ほどのトラム代も精算です。
だいたい、地下鉄以外でのチケットの買い方がさっぱりわからない。
シュテファン大聖堂の駅で地下鉄を降りる。外に出てみたものの、大聖堂すら見あたらない。こんな雰囲気だったっけ?と思いながらも暗くなってきたので心細い。ホテルに向かうことにした。
予約サイトでプリントアウトした地図ではトラムの番号しかわからない。
閉まりかけの花屋で尋ねると、トラムの通過駅まで行く方法を教えてくれた。再び、『そこで誰かに聞くといいよ』ということです。 |
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空腹でホテルの場所もわからないまま日が沈みかける |
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ロキシタンは欧州にあるほうがサマになる |
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トラムの乗り換え駅から見えたどこかの聖堂のライトアップ風景 |
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ようやく38番トラムがやって来た。が、今度は降りる駅がわからないときた。
ホテル予約の案内サイトめ。
トラム番号を掲載するなら降りる駅も掲載しろよと強く思う。
ただ、郊外なことだけは確かなので、町の景色が続くうちは大丈夫。
住宅街に入り、だんだん不安に思い始めた。
そしてついに隣の乗客に尋ねる。
彼らもよくわからないみたいだ。
ただ、ホテル近辺の通りの名前だけを確認できた。
目星をつけて、街燈だけが頼りの真っ暗な住宅街を降り、それらしき場所を何度も往復する。
が、それらしきホテルはない。
完全に機嫌が悪くなった。
暗闇の中、一人で悪態をつきながら歩く。
予約なんかしなきゃよかった。
予約しなけりゃ適当にホテルを見つけて泊れたのに。
あのホテル、本当に存在するのか?
【教訓】:いくら乗り換えの町とはいえ、宿泊場所はちゃんと調べてから出発しましょう。
名前の違うホテルが一軒建っている。
一階のオープンカフェでは人々が賑わう。
お腹がすいた・・・。
思い切ってその違うホテルのフロントで尋ねてみることにした。
結局、探し回った通りを少し外れるが、比較的近い場所に目指すホテルがあるらしい。
ネットの地図ってのはまるっきり当てにならないものだ。
チェックイン後、今度は部屋の鍵が開かない。
とりあえずフロントのお姉さんが来て開けてくれた。
空腹なのでレストランへ行こうと鍵をかける。
そして開けようとしてみたが、やっぱり開かない。
空腹には勝てないので、もう忘れよう、帰りは何とかなるさとレストランへ向かう。 |
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ようやく辿り着いたホテルの部屋 |
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併設のレストランで:一品目はカマンベールフライ ブルーベリー添えを頼んだら、コロッケがきた☆ |
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二品目は牛のロースト♪ |
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付け合わせ温野菜の量がすごかった。温野菜をサイドメニューで頼もうとしたら止められた理由がわかった! |
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夕食を大量に残し、満腹気分で部屋に戻ったものの、時間が解決することもなく、やはり鍵は開かなかった。
何か嫌だなぁ。フロントの人、変わっててくれればいいけど。
あのお姉さんだったら頼みにくいなぁ。完全にバカと思われる(バカなのだが)。
あれこれ思案していたら、何と宿泊者らしいインド人がアイスを取りに行くのだろう、アイスペールを持って通りかかった。
インド人は親切だ。案の定、どうしたのかと声をかけてきてくれた。
事情を説明すると、簡単に開けてくれる。やはり私はバカなのだ。
『今度は自分でやってみて。』
『あれあれ、できないねぇ。』
『こうやってドアを前に引くような感じで鍵は奥に押すように。』
出来たのだった。ようやくコツがわかったのである。
親切なインド人に感謝しながら就寝zzz
翌朝、いよいよクロアチアに発つ日。
ただ、正午便なので、もう一つフンデルトヴァッサーを消化したい。ホテルからそれ程遠くない場所にあるゴミ焼却場だ。
チェックアウト時、フロントでゴミ焼却場への道を尋ねてみると、丁寧に説明してくれた後、トラムと地下鉄の地図までもらった。
おかげさまでお気楽な道中、ホテルへの評価はすっかり高まり、ウィーンの生活に組み込まれたフンデルトヴァッサーの巨大建築物鑑賞を、充分に楽しめたのである。 |
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土曜の朝のホテル近辺では小さなフリマが出ていた |
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昨夜散々苦労したトラムが今朝はお気楽に利用可能 |
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ここからゴミ焼却場の駅を目指します:地下鉄なのにこの区間は地上を走る |
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電車駅に隣接しているゴミ焼却場 |
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武道館よりも遥かに光る玉ねぎですね |
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同様なゴミ焼却場がなんと!!大阪にもあるそうです。今度見学に行きます。 |
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窓の装飾もかわいいです |
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ぐるりと塀伝いに歩いてきました |
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お隣にもまた違うビルがあります |
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門の装飾もかわいい |
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青空を背景に−ウィーンのゴミ焼却場も見納め |
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行きは空港からバスで移動してきたが、帰りは空港まで高速の直通電車で行くことにした。
駅にはオフィスが併設されていて、フライトのチェックインができる。時間が長いので、成田からウィーンまでは通路側を指定したが、クロアチアの入国都市、ドブロブニクまでは窓側を指定してチェックインを済ませた(電車の切符は自動販売機)。
社内はすいていて、快適。空港までは、あっという間だった。いよいよ旅の始まりです(とっくに始まっていますね)。 |
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高速列車の始発駅近辺 |
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高速列車の始発駅のホーム |
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快適な車内 |
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カフェで遅めの朝食をとる |
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ドブロブニク行きのゲート |
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