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一旦駅のほうに戻り、ショッピングモールでカフェを探してみることにした。時間は正午に近かったが、出掛けにホテル近くのアメリカンカフェでとった朝食のサンドイッチのボリュームがすごかったので、私はまだ空腹には程遠い状態だった。ショッピングモールはジャスコで、レストランンエリアは軽食のフードコートだった。もちろんワインなどはない。 「ワイン休憩できるカフェがあればなぁ。」 私の嘆きにくーさんが一つ提案をした。 「スーパーで買えるよ。スーパーで買って来てこのフードコートのテーブルで飲む?」 「・・・そんなの嫌だよ。」 公園でワンカップをあおるアル中みたいだ。
結局、アルコールは諦め、くーさんがソフトドリンクと軽食を調達してきた。 「それなに?珍しいね。日本では見かけない。」 「これは揚げパンだよ。香港人は朝食代わりにこれを食べることが多いよ。」 試食をさせてもらった。甘いので朝食というよりも、おやつのような食べ物だった。 |
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日曜のジャスコ |
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餅店と書かれているのはケーキ屋さん |
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ひゃっきん発見! |
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日本にいるような錯覚に陥る |
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商品、日本語だし |
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香港人の朝食、揚げパン |
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フードコートでくーさんが本日のガイドスケジュールを見せてくれた。夕食までびっしりと詰まった予定が一枚の紙に丁寧に書き込まれている。くーさんの親切心には本当に頭が下がる思いだ。 休憩後は一旦、池に戻ってはみたが、私がトリを探す気をすっかりなくしていたので、地下鉄を乗り継ぎ、次の訪問場所である香港公園へと向かうことにした。
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香港人は車を止めてまで赤信号で渡る。車が来ないから渡るのではなく車が来ていても渡る。車も当然のようにおとなしく止まっている。 |
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駅隣接のショッピングモールを抜けて公園へ |
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香港公園は植物園、鳥園、そしてなんと結婚登記所までを有する。香港では特に披露宴などが行われるわけではなく、結婚登記所で弁護士立会いのもと、契約が交わされるという仕組みらしい。その際、二人で証拠写真を撮るなどのイベントがあり、それも当結婚登記所で行われるという。裏の駐車場には、いかにも結婚しにきましたといった仕様の車が2台止まっていた。 |
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香港公園 |
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噴水の向こう側に通路があり、涼しげ |
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こちらにはせりあがった噴水 |
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またもやBulbul発見!! |
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どこにでもいますがキュートなので何度見ても見飽きません |
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ピンクのとんぼ発見!! |
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結婚登記所の案内看板 |
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僕たち結婚しにきました!! |
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僕たち結婚しにきました!! |
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鳥園では世界各国のあらゆる鳥の姿を見ることができた。アオショウビンやヤマショウビンなども紛れ込んでいるらしいのだが、結局見つけることは出来ないまま出口に至った。 |
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なぜか香港にジャックフルーツ |
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鳥園のハト殿 |
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ランチを食べていないので、鳥園を出ると、少し空腹感がやってきた。 「くーさん、私はヤムチャを経験したことないんだよね。」 初ヤムチャが本場香港でのヤムチャになるのは申し分ない。 レストランに向かう途中、かなり多くの東南アジア系の人々が通路を占拠していたので、一体これは何なのかとくーさんに尋ねてみたところ、東南アジアから香港に出稼ぎにきている女中さんたちだということだった。毎週、日曜日になると、女中業が休みとなるので、皆で集まってお茶を飲んだり雑談をしたりして一日を過ごす。公共の場所での占拠なので、一種の社会問題化しているらしいが、占拠以外は特に酒を飲んで酔っ払うわけでもなく、大声で騒ぎ立てているわけでもなく、通行人から物を盗んだりするわけでもない。
午後も深まっていたので、くーさんが案内してくれたレストランは少々活気が去った後だったが、ヤムチャのワゴンは健在で、ヤムチャ売りとくーさんが広東語で注文のやり取りをしていた。 |
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社会問題化している東南アジアの女中さんたちの集い |
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ヤムチャに訪れた香港公園近くのレストラン |
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初ヤムチャをシュウマイなどで楽しむ |
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ヤムチャの後は、私が香港の街を見てみたいと言い出したので、くーさんが、それならトラムで街巡りをしてからビクトリアピークという100万ドルの夜景が見られる観光地に行こうと提案した。香港のトラムはとても安く、区間内はどこまで乗ってもわずか2ドル(この頃の為替で約26円)だという。英国からの変換後、全ての物価が跳ね上がった香港だが、昔の面影を残すトラムだけは物価上昇の波にのらなかったのは喜ばしいことである、とくーさんが言っていた。 |
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100年前から香港の街を走るトラム |
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最初はとても混んでいたが途中から座ることができた。エアコンが効いていないので寒くなく、窓からの午後の風が非常に心地よかった |
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通りに立ち並ぶ店 |
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ヤマザキパン発見! |
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トラムを降りた地点は、まさに日本の昭和を彷彿させる、旧市街の雰囲気に囲まれた場所だった。これが香港かと旅情に浸っていたら、次にくーちゃんが案内してくれたのは、香港の証券取引所などが集まる、金融の中心街だという新市街であり、私は新旧のあまりの差に多少の眩暈を感じるほどだった。香港の面白さはこれらのギャップにあるのかもしれない。新と旧は全然融合しておらず、調和もとれておらず、ただただ両者が存在する空間を人々が行き交い日常を織り成す。 |
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旧市街の町並み |
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がらっと変わって新市街:証券取引所などの香港の金融の中心 |
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当初、香港公園裏のケーブルカーで登るはずの夜景スポット、ビクトリアピークへは、新市街近くのバス発着所からバスで登ることになった。バスに乗っている時間が随分長かったので、相当高い場所にあるのだろう。バスの到着地点からは夜景とは反対側の自然の景観が見渡せた。 |
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海を見渡せるビクトリアピークの裏側 |
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南国風の変わった植物群生 |
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シロガシラ/Light-vented Bulbul発見! |
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変な建物発見! |
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土産物屋などを物色した後、夜景スポットである最上階の展望台に登ったところ、早過ぎて夜景どころではない状態だった。それでも人々は群がり、ベンチなども全然あかないので、一通りみて周った後、しばらくは手持ち無沙汰にうろうろしていた。ビクトリアピークにはさすがに観光客が多い。当然、昼間から酒が飲めるカフェも多く、日没までの時間潰しか、欧米人たちがオープンカフェでゆったりとビールを飲んでいた。私もそれに習い、一旦階下に戻って、完全に日が暮れるまでワインを飲み続けた。 ようやく夜が訪れた頃には、ほろ酔いと酔っ払いの中間くらいだった。ふわふわしながら最上階に上がり、再度展望台の入場券を払いなおして100万ドルの夜景に臨んだ。
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ようやく実現した「カフェでワイン」 |
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ビクトリアピーク展望台より:夜景前 |
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ビクトリアピーク展望台より:夜景後 100万ドルの夜景は霧のせいで3割ほど割引かれていた |
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夕食はくーさんが四川料理を予約していた。日本語の練習をしたいというくーさんの友人もいらっしゃるそうだ。男性だとばかり思っていたら若くて美人な女性だった。私はビクトリアピークでワインを既に飲んでいたうえ、レストランでもワインを開始してしまったので、せっかくの料理のほうは残念ながらほとんどパスしてしまったが、異国の地で元同僚の友人と歓談する機会が持てた貴重な夜の記憶は、大量のワインにも流されなかった。 |
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四川料理レストランへ向かうときに利用した地下鉄 |
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