6月のある日、新宿で待ち合わせたYHさんが、どうせならアカショウビンが見られる確率が高い6月に戸隠に行きませんか。どうせなら今夜からレンタカーして行きませんかと提案してきた。 突然だったが私もしばし考えてしまった。アカショウビンはそれほど見たい鳥だからである。 残業込みの仕事が終わったばかりのOL状態だったので、いやちょっと待った、準備のために一旦品川の家に戻らなければならない、そちらの準備も必要でしょう。そうすると何時頃に東京を出発できるのか、などと考えているうち、やはりいきなりの出発は無理だろうという結論に達した。 やっぱりアカショウビンは、いや戸隠は誕生日プレゼントとして、来月の誕生日までとっといてください。たとえ見られなくても仕方ないです。 YHさんも少し残念そうに納得した。
半ば諦めのアカショウビン道中のはずであった。なのに途中で出会った大砲カメラの紳士が嬉しそうに「いますよ、いますよ」と話しかけてきた。カメラの画像も見せていただいた。思い焦がれたアカショウビンが真ん中にパツリと映っていた。うらやましい。
「あっちに飛んでいったの」
娘さんが説明してくれる。父娘のアカショウビン撮影旅行に祖母らしき人がにこやかに付き添っている。トリは人々を幸せにする。
しばらく進むと三脚と大砲カメラの集団がずらりと勢揃いする地点に行き着いた。そしてそこには確かに・・・ ******************** アカショウビンがいた。 ********************
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